「第21回ウオノメ」2016年5月28日号の「リビング東京副都心」に掲載されました。
- 2018年8月3日
- 一般皮膚科
足裏にタコがあり、歩くと痛みがあります
痛みが伴うのはタコではなくウオノメです
足の裏などに硬い芯ができるウオノメについて、日本皮膚科学会皮膚科専門医の中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
— ウオノメは、どういう病気ですか?
「足の指や裏などの皮膚の一部が圧迫を受けて厚くなり、硬い芯がくさび状に皮膚に食い込んだ状態をいいます。食い込んだ芯が神経を圧迫し痛みを生じます。主に足の小指や
親指の外側、中指の付け根付近にできます」
— 原因は?
「その部位が長時間圧迫されることが原因で、5対1の割合で女性に多く見られます。
サイズの合わない靴を履いたり、足の横アーチが低下して幅が広がった開張足の人、
リウマチなど足の変形がある人にも多くみられます。靴にインソールを作って圧力を分散させるなど対策もとれますが、痛みがあるのに放っておくと、歩き方が悪くなり、腰痛の原因にもなります」
— タコ、イボとの違い は?
「タコもウオノメと同じように角質層が厚くなった状態ですが、表面だけが盛り上がる
だけで芯がないので痛みはありません。イボは子どもに多く、発症する部位が異なります」
— 治療法は?
「サルチル酸やスピール膏などで角質を柔らかくしてから、メスなどで芯を削りとります。セルフケアで無理に削るなどの処置で炎症を起こしている場合は、まずその治療を
行います。また、重度の糖尿病の人はウオノメがあっても痛みを感じにくく、血流が悪化
して壊疽(えそ)を引き起こす可能性もあるので注意が必要です」