「第18回手湿疹」2016年2月20日号の「リビング東京副都心」に掲載されました。
- 2018年8月3日
- 一般皮膚科
指先が乾燥してひび割れに 切れて痛みます
ただの手荒れではなく手湿疹かもしれません
日常的に水仕事をすることで起こる手湿疹。“主婦湿疹”ともいわれる指先などのひどい手荒れについて、日本皮膚科学会皮膚科専門医の中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
— 手湿疹について教え てください
「手湿疹にはいろいろな疾患が含まれ、いわゆる“主婦湿疹”には、主に指先に症状がでる進行性指掌角皮症、湿潤病変が主となる自家感作性皮膚炎などがあります。
指先がカサカサする乾燥型は皮膚が薄くなって弾力が失われ、ひび割れや指紋がなくなることも。じくじくした発疹や水疱などができる湿潤型は、かぶれなどが関係していることがあります」
— 手湿疹はなぜ起こる のでしょうか
「手のひらや指先には皮脂腺がないため、もともと乾燥しやすい部位です。水仕事を頻繁にすることで洗剤などに含まれる界面活性剤によって皮膚のバリア機能が失われ、乾燥やかぶれを起こしてしまうことが主な要因です。食器洗いや洗濯物を干すときなどに手袋 をする、水を触ったらこまめに保湿しましょう。湿潤型はアレルギー性のものもあり、
日常接する化学物質や植物、金属などのアレルギーが原因のこともあります。手荒れを
繰り返すようなら、皮膚科を受診しましょう」
— 治療方法は?
「乾燥型には尿素やヘパリン類似物質が入った塗り薬を使います。水疱などがある湿潤型の場合は、保湿のための外用薬のほかに、ステロイド外用剤などを塗布します」