小児皮膚科|中野皮膚科クリニック|中野駅徒歩2分|皮膚トラブル、悩みにお答えします

〒164-0001東京都中野区中野2-30-3 マルニビル 5F
03-5342-0722
インスタグラム アイコール診療受付 求人情報
ヘッダー画像

小児皮膚科

小児皮膚科|中野皮膚科クリニック|中野駅徒歩2分|皮膚トラブル、悩みにお答えします

とびひ

とびひの正式な病名は伝染性膿痂疹(のうかしん)です。水疱性と痂皮(かひ)性の2種類があり、子どもに多いのは水疱性膿痂疹です。水疱性膿痂疹は皮膚に赤みが出た後に、水ぶくれやびらんができます。痂皮性はカサカサした厚みのあるかさぶたが多発します。いずれも軽いかゆみがあり、体中に広がりやすく、「飛び火」がとびひの名の由来です。他の人にも感染するので、保育園などでは登園中止を指示されることもあります。

水疱性膿痂疹の原因は黄色ブドウ球菌で、皮膚や鼻の中などにいる常在菌です。虫刺されやあせもなどを引っかくと傷口から皮膚に入り込みます。痂皮性膿痂疹は、溶連菌の一種であるA群β溶血性連鎖球菌が原因となります。治療は抗菌薬の塗布や内服を基本とし、湿疹の治療を併用します。同じブドウ球菌でも株によって抗菌薬の感受性が変わるため、治りにくい場合は培養検査を行い、菌の同定、薬剤に対する感受性を調べることもあります。また、かゆみが強いときは、抗ヒスタミン薬の内服を併用します。溶連菌が原因の場合は、腎炎を起こす可能性があるので、皮膚の症状が治まっていても2週間は内服を続けることが大事です。 夏は菌が繁殖しやすいので、汗をかいたらシャワーで流す、手を洗い皮膚を清潔に保つことが有用です。一番大切なことは、皮膚に傷をつけないことです。虫刺されなどをかきむしらないよう、爪を短く切ります。

水いぼ

この疾患はポックスウイルスが原因で生じ、主に肌と肌の接触で感染します。肌のバリア機能が低下していると感染しやすく、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の人は注意が必要です。表面がツルっとして水がたまっているようにみえることから水イボと呼ばれていますが、正式な名称は「伝染性軟属腫」です。手足の指などにできるイボと違い、腕の内側や胸、おなかなどに多く発現します。発現してすぐは、かゆみや痛みなどはありません。放っておいても、半年から数年で自然に治ることもありますが、患部にかゆみが生じることにより、二次的にとびひになることもあります。広がる前に早めに受診してください。また夏は、プールなどで肌と肌が触れ合う機会が増えるうえ、同じタオルやビート板などを共用するなどでも感染します。気になる場合は、早めに治療することが大切です。

治療はトラコーマ攝子(せっし)と呼ばれる特殊なピンセットで白い隆起部をつまんで取り除きます。取り除く際に、痛みを訴えたり、怖がる場合は、保険適用になっている麻酔テープを事前に患部に貼ってから治療を行うと痛みを軽減できます。

いぼ

いぼは疣贅(ゆうぜい)と呼ばれ、軟性線維腫、脂漏性角化症などの疾患も混同されていますが、ウイルス性イボをさします。主に手や指、足の裏などにできた小さな傷にヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus: HPV)と呼ばれるウイルスが増殖し生じます。主にヒトからヒトへの直接的接触感染しますが、温泉施設、プール、ジムなどでの間接的接触感染でも生じます。また、自分でいぼを傷つけると別の場所に感染したりすることもあります。子どもに多い疾患ですが、大人にも生じ、その場合治癒までに数年要することもあります。

HPVには特異的な抗ウイルス薬が存在せず、治療法は多岐に渡ります。ガイドラインに記載があり推奨度の高い治療は液体窒素による凍結療法とサリチル酸外用です。凍結療法とは -196℃の液体窒素をいぼとその周りに、綿棒やスプレーなどを用いてあてることによりいぼを凍らせる方法です。通常1~2週ごとに行います。ただし、この治療は痛みを伴うので、小さい子どもにはモノクロロ酢酸の外用を行うこともあります。モノクロロ酢酸とは強い酸性を持つ化学物質で、いぼに塗ることで腐食・壊死させ、取り除くことができます。サリチル酸外用は角層の剝離に加え,疣贅に対する免疫を活性化させる作用もあるとされています。その他、グルタールアルデヒド、ビタミンD3の外用で効果がみられることもあります。また、難治例では炭酸ガスレーザー、電気凝固、V-Beam(Vビーム)なども施行します。炭酸ガスレーザーは水分に反応しやすい性質をもったレーザーで、レーザーを照射した部位の水分に反応して熱エネルギーが発生します。その熱エネルギーによって皮膚が蒸散し、照射した部分の皮膚が瞬時になくなります。V-Beamは赤血球の赤みに反応するレーザーで赤あざなどの治療に用いられますが、いぼの栄養血管をターゲットに照射することで治癒に導くことができます。

手足口病

手足口病は夏季に流行するウイルス性の感染症です。原因はエンテロウイルスとコクサッキーウイルスで、複数の種類があるので何度も感染する可能性があります。患者のほとんどは小児で、5歳未満の小児が80%を占めますが、まれに大人にも感染します。

口の中の粘膜や手のひら、足の裏、足の甲などに水疱性の発疹が現れて、1〜3日間発熱することがあります。他にも臀部や躯幹に出ると、水ぼうそうと区別がつきにくいこともあります。水疱は、かさぶたにならずに治ることが多く、1週間程度でなくなります。また、コクサッキーウイルスA6感染では1〜2カ月後に手足の爪がはがれることがありますが、その後新しい爪が生えてきます。口の中に水疱ができると、つぶれた後にできる口内炎(口の中にできた潰瘍)がひどく、食事や飲みものが摂れず脱水症状を起こすことがあるため注意してください。エンテロウイルス71の感染では中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いことが明らかになっており、無菌性髄膜炎を起こす場合にはその原因の90%を占めます。 手足口病には、今のところ特効薬や特別な治療法がなく、対症療法のみを行うことになります。周囲で手足口病が流行したら、手洗いをしっかりする、マスクをする、排泄物を適切に処理するなど心がけることが大切です。また、タオルやおもちゃ、スプーンや箸、食器などの共用も避けましょう。特に水疱の中にはウイルスが多く、潰す、破ることは控えてください。また、手足口病は症状がおさまったあとも、2〜4週間ほどは便などからウイルスが排泄され続けます。患児のおむつを替えたあとはしっかりと手を洗いましょう。

あせも(汗疹)

医学的には汗疹(かんしん)といい、乳幼児や子どもに多い疾患ですが、大人にも発症します。汗疹には汗が詰まる皮膚の深さによって3タイプあります。表皮の浅い部分(角層)の汗腺が詰まってできる水晶様汗疹は直径1~3㎜程度の小さな水疱で、かゆみもありません。表皮の深い部分(有棘層)の汗腺が詰まるのは紅色汗疹と呼ばれ赤いポツポツした発疹とのっぺりした赤みがでます。一般的にあせもと言われるものはこれにあたります。首や手足の関節、背中などに好発し、軽いかゆみを伴います。もっと深い真皮の上層部分の汗管がふさがれるのが深在性汗疹。のっぺりと盛り上がり、かゆみはありません。日本よりも高温多湿の地域でみられます。

水晶様汗疹は2、3日で自然に治るので特に治療は必要ありません。紅色汗疹の場合は、ひっかいたりするとブドウ球菌などが肌に付着してとびひのように化膿したりするケースもあります。ステロイド外用剤を塗って皮膚の炎症を鎮め、かゆみ止めを内服します。皮膚の炎症があるときは放っておかず、早めに受診してください。 あせもを防ぐには、「汗をかいたときに放置しないこと」がもっとも重要です。こまめに汗を拭いたり、着替えたり、ぬるめのお湯で洗い流します。高温多湿の環境では、エアコンをうまく活用するようにしてください。また、吸収性のよい下着や通気性のよい衣類を身につけて、汗をかいても濡れたままにしておかないことも大切です。

オムツかぶれ

おむつかぶれとは、おむつを長時間使用することによって外陰部や臀部が蒸れ、皮膚に炎症が起きる症状のことです。おむつかぶれには、単に皮膚が赤くなるものから(紅斑)、ぶつぶつができるもの(丘疹)、表皮が剥がれジュクジュクして強い痛みを伴うもの(びらん・潰瘍)、真菌感染を併発するものなど、さまざまな症状があります。おむつかぶれは、おむつの長時間着用によって外陰部や臀部の皮膚・粘膜が蒸れて引き起こされます。外陰部や臀部の皮膚・粘膜はもともとデリケートなため、長時間蒸れてふやけた状態で、そこにアルカリ性の尿や便が付着すると皮膚や粘膜にダメージを与えて炎症が起こるのです。さらに、一度ダメージを受けた皮膚や粘膜のバリア機能は著しく低下するため、皮膚や粘膜の深層にも炎症が波及したり、構造自体の破綻を招いて表皮が剥がれたりすることも少なくありません。

軽度なおむつかぶれの多くは、おむつの頻繁な交換、外陰部や臀部の丁寧な洗浄、入浴などを心がけることで自然に改善していきます。しかし、湿疹や表皮剥離が生じているような重度なおむつかぶれの場合は、それらの対処だけでは症状が改善しないことも多々あり、ステロイド軟膏を用いて炎症を鎮める治療をするのが一般的です。 おむつかぶれの原因の一つとして挙げられる「おしりの蒸れ」はおむつの交換の頻度や商品を見直すことで改善する場合があります。おむつ商品には吸収量ごとにさまざまなサイズや種類があり、通気性を持たせたお肌に優しい商品もあります。その人に合ったおむつ選びも重要になります。また、就寝直前の飲食を控えめにすることも対策の一つです。

はたけ

円形や楕円形の薄い色の斑点が皮膚にできる病気で医学的には単純性粃糠疹(たんじゅんせいひこうしん)と呼ばれます。子どもの顔のほほや顎の部分にできやすく、「はたけ」という名前で呼ばれることもあります。親指くらいの円形から楕円形の斑点がぽつぽつとでき、軽い痒みをともなうことがあります。はたけの原因は乾燥やアレルギーが原因とみられています。昔はカビの感染と考えられていましたが、はっきりとした原因はまだ解っていません。

はたけは自然治癒がほとんどで、特別な治療はしませんが、見た目など気になるときは非ステロイド系の軟膏などを使用することもあります。ステロイド外用などの強い治療をする必要はありません。予防にはこまめな保湿が大切です。