「第63回 IgA血管炎」2019年11月29日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2019年12月13日
- 一般皮膚科
突然、足に紫色のポツポツができました
IgA血管炎の可能性があります
足などに突然、ぽつぽつとした紫色の発疹ができるIgA血管炎。その症状と治療法について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
―どんな病気ですか?
「IgA血管炎は4歳 ~7歳の小児に発症することが多く、特に男の子に多く見られる疾患で す。真皮の浅いところにある細い血管が炎症をおこしてぽつぽつ盛り上がりのある紫斑ができます。皮膚症状に痛みやか ゆみはありませんが、関節痛や腹痛、大人の場合は腎障害など内臓疾患を併発することがありま す。 紫色の発疹は足にできることが多く、特にひざ下から足の甲あたりにかけて現れ、お腹や腕などに広がる人もいます。溶連菌の感染や薬剤アレル ギーなどが誘因となって発症することがあります」
―治療法は?
「紫斑ができる病気はほかにもあるので、まずは血液検査を行い、必要があれば生検して鑑別診断をします。皮膚生検をすると血管壁にIgAの付着がみられます。血管の炎症なので、安静にすることが大事です。軽症の場合は安静にしていれば数日間で自然 に治ることもあります。 安静にしても治らない場合はトラネキサム酸やステロイドなど、症状や重症度に合わせて2~3週間服薬します。腎障害を併発するような重篤な症状があれば入院して治療することもあります。いずれにしても、早めに皮膚科を受診して病気を特定することが大切です」