「第60回 シイタケ皮膚炎」2019年8月9日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2019年12月13日
- 一般皮膚科
バーベキューの後、肌がかゆくなりました
シイタケ皮膚炎かもしれません
夏休みはバーベキュー をする機会が増える時期。このときに気を付けたいのが「シイタケ皮膚炎」です。生焼けのシイタケを食べると発症するこの症状について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニ ック院長の松尾光馬先生 に聞きました。
―どんな症状ですか?
「シイタケを食べてから1~4日後に、胸やお腹、背中に強いかゆみを伴う赤いブツブツが生じ、その後かいたところが赤く線状になるのが特徴です」
―原因は?
「発症の仕組みははっきりと分かっていませんが、シイタケに含まれるレンチナンという物質が原因だといわれています。レンチナンが含まれる抗がん剤でも同じような症状が出ることがあります。シイタケは完全に火が通っていれば大丈夫ですが、バーベキューなどで生焼けの状態で食べると発症しやすいようです。乾燥しいたけを戻しただし汁でも起きることがあります。今までシイタケを食べてなんともなかった人でも、一度発症すると繰り返すことがあります」
―治療法は?
「抗アレルギー剤を服用し、患部にはステロイド剤を塗布します。かゆみが強い疾患なので、かくことで二次的に悪化します。症状に気がついたら、早めに治療しましょう。シイタケが原因で皮膚炎がおきるということはあまり知られていないため、気が付かない人も多い病気です。バーベキューの後などに体幹部にかゆみの伴う湿疹ができたら、まずはシイタケ皮膚炎の可能性を疑い、皮膚科に相談してください」