「第57回 口唇ヘルペス」2019年5月17日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2019年6月20日
- 一般皮膚科
繰り返して口唇ヘルペスができます
新しい治療法が今年2月に認可されました
口や目の周り、性器に赤い水ぶくれができる単純ヘルペスウイルス感染症について日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
―どんな症状ですか?
「唇や口の中、目や性器などの皮膚や粘膜に、チクチクした痛みを感じ、小さな水疱(すいほ う)や潰瘍(かいよう)ができます。原因は単純ヘル
ペウイルスの接触感染です」
―治療法は?
「内服薬や点滴、外用薬で治療します。症状が治まってもウイルス自体は神経節に潜伏するため 根治することが難しい病気です。ストレスや免疫力の低下、日焼けなどによって再発することが多いです」
―再発した場合は?
「再発した場合、早めに治療すると症状が軽くすむことが分かっていま す。今年2月、再発を繰り返す単純ヘルペスに対して新しい治療法が認可されました。年3回以上 ヘルペスの再発を繰り返す人が対象で、症状がないときに経口抗ヘルペス ウイルス剤を処方してもらっておき、発症したら自分で服用します。服用のタイミングは、以前発症した部位に再発の前駆症状とされるピリピリ・ チクチクという違和感を感じたときです。1回の再発投与分は1日2回。 ウイルスの増殖を抑える薬なので、発症初期に服用することが大切です。 ヘルペスを繰り返している、忙しくて前駆症状が出てもすぐに病院に行けない、ヘルペスの再発にストレスを感じているという人は、皮膚科の医師に相談してください」