「第56回 アタマジラミ」2019年4月12日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2019年6月20日
- 一般皮膚科
子どもの髪の毛に白いポツポツが付いていました
アタマジラミによる感染症の疑いがあります
髪にフケのような白いものがつき、かゆみがでるアタマジラミについて日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
―どんな症状ですか?
「アタマジラミ症は寄生虫による感染症です。戦後の大々的な駆除で一 時激減しましが、90 年以降に再び流行し、今も毎年約 80万世帯で発症。特に幼児に多い症状です。
ヒトに寄生するシラミには頭髪につくアタマジ ラミのほか、衣服につくコロモジラミ、陰毛につ くケジラミの3種類があります。アタマジラミは 髪の毛にタマゴを産み付け繁殖します。タマゴは3日でふ化し、15 日程度 で成虫になります。頭皮から吸血するのでかゆみや湿疹を起こします。不潔にしているから発症するわけではなく、髪の毛の接触などでうつります。子どもに多いのは集団で行動する事が多い ためです。添い寝すると大人でも感染するので注 意しましょう」
―治療は?
「髪にタマゴがついてしまうとシャンプーしても取れません。お子さんが頭をかいたり、髪にフケのような白いものがつ いていたら一度皮膚科を受診しましょう。かゆみがひどい場合は除虫と一 緒に抗アレルギー薬の内服を併用することもあります。アタマジラミの駆除には、フェノトリンを使った市販のシラミ駆除用パウダーやシャンプーを使用するようお話します。最近、フェノトリン耐性のシラミも増えており、目の細かい専用のクシでタマゴをすき取る方法も有効です」