「第53回 太藤病」2019年1月5日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2019年3月10日
- 一般皮膚科
かゆみの強い頬の紅斑がなかなか治りません
太藤病の場合はインドメタシンで治療します
強いかゆみを伴うのう 疱ができる太藤(おおふじ)病について、日本皮 膚科学会認定皮膚科専門 医、中野皮膚科クリニッ ク院長の松尾光馬先生に 聞きました。
―どんな病気ですか?
「太藤病は、正式名を 『好酸球性膿疱(のうほう)性毛包炎』と言います。何らかの原因で毛穴に好酸球が集まり、うみを持ったのう疱がプツプツと多発する疾患です。赤みが強く出て、とてもかゆいのが特徴です。頬にできやすく、見た目は酒さやニキビ、アトピー性皮膚炎などにも似ています。
手足にできることもあ りますが、 85 %は顏にできます。20 代 30 代の若い 男性に多い病気です。1 970年に京都大学の太藤重夫教授によって発見されたもので、発見者の名前を取って「太藤病」と呼ばれています。原因な ど詳しいことは分かっていませんが、エイズ(H IⅤ感染)の合併症とし て発症することもあります」
―治療法は?
「アトピー性皮膚炎や酒さなどにも似ているため、なかなか診断がつかないことがあります。血中の好酸球数の増加、皮膚の一部をとって検査を行って鑑別します。治療は消炎鎮痛薬であるインドメタシンを服用します。 湿疹やアトピー性皮膚炎だと自己判断して市販薬を用いると、こじらせる場合があります。同じ症状が続く場合は、一度皮膚科の医師に相談を」