「第52回 爪水虫」2018年12月8日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2019年3月10日
- 一般皮膚科
爪が白く変形して薬を塗っても治りません
爪水虫は飲み薬で治療します
一般的に“水虫”と呼ばれる足白癬(はくせん)。足の指だけでなく爪にできることもあります。この爪白癬(爪水虫)について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚 科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
―どんな病気ですか?
「爪白癬は足白癬と同じカビの一種の白癬菌に感染して発症します。足白癬を合併しているケースが多く、指から爪に白癬菌が侵入すると、爪が厚くなったり、白く濁っ たり、変形したりします。足白癬に比べ、治りにくいのが爪白癬です」
―治療法は?
「症状が似ている他の 病気もありますので、ま ず爪白癬であるかどうか、検査を行います。検 査では、爪の一部を採取 して白癬菌の有無を調べます。白癬菌があれば治療を開始しますが、爪の 表面からは薬の成分が浸 透しにくいため、飲み薬 での治療が基本となります。これまで用いられてきた内服薬は、併用禁忌薬が多い、内服期間が長いなどの使用しづらい点はありました。本年承認されたホスラブコナゾー ルは併用禁忌薬もなく、内服期間も12 週と短くてすみます。 一度白くなった爪は、 白癬菌がいなくなっても元には戻らないので、白い部分を削って新しい爪が伸びるのを待ちます。その間も足をよく洗うなどの予防策も行うようにしてください。爪水虫かなと思ったら、まずは皮膚科の医師の診断を受け、相談しながら治療を進めていきましょう」