「第43回毛細血管拡張症」2018年3月17日付「リビング東京副都心」に掲載されました。
- 2018年8月30日
- 一般皮膚科
鼻の下の赤みが消えません
毛細血管拡張症は保険適用のレーザーで治療できます
頬や鼻下の赤みが消えない毛細血管拡張症について日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
—どんな症状ですか?
「真皮の毛細血管が拡 張して血流が増え、肌の赤みがとれない状態です。頬や鼻の下などにできやすく、寒暖差や緊張などで一時的に赤くなるのではなく、同じ場所に持続的に赤みが続くのが毛細血管拡張症です」
—原因は?
「毛細血管が拡張する原因は多岐にわたります。肌が乾燥しすぎて毛細血管を刺激したり、紫外線による刺激、ニキビや脂漏性湿疹などによる皮膚の炎症など、血管の拡張した状態が長く続くと調節が効かなくなり、毛細血管が開きっぱなしになります。頻繁な飲酒や寒暖差なども原因の一つになります。内臓疾患が影響することもあり、肝硬変の場合は胸や首などにクモ状血管拡張が起こります。女性は妊娠によって血流が増えることで発症することもあります」
—治療法は?
「毛細血管は一度拡張してしまうと自然には戻りません。命に関わるような深刻な病気ではありませんが、顔にできやすいので見た目などが気になる人は保険適用の医療用レーザーで治療が可能です。色素レーザーが血管内のヘモグロビンに反応し、異常な血管だけを破壊します。赤みの強さや状態にもよりますが、数回に分けて照射します。湿疹を合併している人も多いのでその治療も合わせて行います。」