「第42回慢性痒疹(ようしん)」2018年2月10日号の「リビング東京副都心」に掲載されました。
- 2018年8月30日
- 一般皮膚科
腰回りにブツブツができ、かゆみが長く続いています
慢性痒疹(ようしん)の一種かもしれません
かゆみが続く皮疹を生じる痒疹(ようしん)について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
—どんな病気ですか?
「痒疹にはいろいろな種類があります。子どもに多いのが急性痒疹。虫さされ後の過敏反応で、かゆみが続きプツプツした丘疹ができます。亜急性痒疹は大人に多く、腕や足に丘疹ができ、かゆみが数カ月続きます。
中高年に多いのが腰回りや太ももにできる慢性多形性痒疹です。湿疹様変化と丘疹が混在して、かゆみも長く続きます。同じ慢性でも結節性痒疹は、虫刺されや湿疹が生じた後に、一部が隆起してくるのが特徴です。いずれの痒疹もかゆみが強く、紅色や褐色の丘疹を伴います。原因はよくわかっていませんが、できやすい体質はあるようです。
市販のかゆみ止めなどを塗ってもなかなか治らない、かゆみが続くときは皮膚科を受診しましょ う」
—治療法は?
「治療は、抗アレルギー剤やステロイド外用薬を処方します。かき壊すと二次感染を起こし“とびひ”になったり、色素沈着してあとが残ったりします。テープで貼るタイプのステロイド外用薬は持続的に浸透し、かき壊し予防にもなります。このほかにも症状に応じ て免疫抑制剤を内服する治療方法もあります。時間はかかりますが、根気よく治療することが大切です。」