「第25回蚕食性点状角質融解症」2016年9月17日号の「リビング東京副都心」に掲載されました。
- 2018年8月3日
- 一般皮膚科
足をしっかり洗っても臭いが気になります
蚕食性(さんしょくせい)点状角質融解症の疑いが
しっかり洗っていても足の臭いが気になるという人は、蚕食性点状角質融解症かもしれません。どんな病気なのか、日本皮膚科学会皮膚科専門医 中野皮膚科クリニックの院長、松尾光馬先生に聞きました。
— どんな症状ですか?
細菌の感染によって足のゆびの腹側や足裏などが白っぽくふやけて、角質にポツポツしたくぼみや地図状のクレーターができます。20代の男性に多く、常在菌や付着した菌から生じるため、多汗症の人にも多くみられます。
— 原因は?
コルネバクテリアなどの常在菌によってタンパク質を分解する酵素が発生し、角質が溶けてしまうのが原因です。一日中靴を履いていたり、よく汗をかくといった多湿で密閉された状態が続くと、細菌が繁殖しやすくなります。汗をかかなくなる冬でも、温かい室内 でブーツなどを一日中履いて多湿状態が続くと、発症することがあります。症状が水虫に似ているため、水虫の市販薬を使っていたという人もいますが、原因が違うので効果は
ありません。
— 治療法は?
まず、水虫など他の病気と見極めます。蚕食性点状角質融解症であれば、抗菌性のある
抗生物質を塗布します。塩化アルミニウムなどで汗を抑えることも有効です。薬 剤の
塗布は、足を洗って充分に乾燥させてから行ってください。塗布後の患部は通気性を
保ち、靴下は清潔なものに履き替えましょう。