「第15回毛孔性苔癬」2015年11月28日号の「リビング東京副都心」に掲載されました。
- 2015年12月2日
- 一般皮膚科
腕のブツブツが目立ってきました
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)かもしれません
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は二の腕などにブツブツとした丘疹ができる皮膚
疾患です。詳しい症状や治療法について、日本皮膚科学会皮膚科専門医、中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きまし た。
— どういう病気ですか?
「皮脂ではなく角質が毛穴に詰まって角栓となり、ポツポツとした皮疹の出る皮膚疾患
です。触ると皮膚の表面がザラザラしていて、軽いかゆみを伴うこともあります。二の腕から肩、背中、太ももの前後、ひざ、すねの前面などに出やすいです」
— どの世代で発症しや すいのでしょうか?
「この疾患は、小学生くらいから思春期にかけて多く発症します。また、太った人や
アトピー性皮膚炎の人に多くみられるのも特徴です。遺伝的要素が強く、原因はよくわ
かっていませんが、30 歳 ぐらいで自然によくなるケースもみられます」
— 対処法は?
「そのままにしていても重篤な状態にはなりませんが、ザラツキが目立って気になるようなら皮 膚科を受診しましょう。治療には外用薬として、サルチル酸ワセリンや尿素入り軟膏を処方します。尿素やサルチル酸には、皮膚の角質を除去する効果があります。
また、かゆみなどがある場合はステロイド剤やビタミンD3で炎症を抑えます。
妊娠の可能性がない場合はビタミンAの内服薬を処方することもありま す」
— 治療中の注意は?
「乾燥する秋冬は悪化しやすいので、発症している部分を外用薬で保湿しましょう」