「第73回 アトピー性皮膚炎」2020年9月25日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2020年12月16日
- 一般皮膚科
アトピー性皮膚炎に悩んでいます 今年、非ステロイド系の新薬が認可されました
つらいかゆみと慢性的な湿疹が現れるアトピー性皮膚炎。子どもだけではなく、大人になっても悩んでいる人もいるこの疾患について、日本皮学会膚科認定皮膚科専門医で中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました 。
―アトピー性皮膚炎はどんな特徴を持つ病気ですか?
「年齢によって特徴的な部位にかゆみのある湿疹を慢性的に繰り返していくのがアトピー性皮膚炎です。ぜんそくや結膜炎、アレルギー性鼻炎といったアトピー素因を持つ人が多いことがわかっています。ただし、決して治らない疾患、というわけではありません。乳幼児に発症したアトピー性皮膚炎の多くは小学校に入学するころまでには軽快します」
ーどのような治療法がありますか?
「基本的にはステロイドやタクロリムスなどの外用薬で炎症を抑え、保湿剤で乾燥を防ぎます。また、悪化因子を取り除くことも重要です。こうした治療を一定期間行っても症状が治まらない場合はデュピルマブという注射製剤も新しい選択肢となりました。今年、新しく認可されたのが“デルゴシチニブ”という非ステロイド系の軟こうです。これは新たなメカニズムで炎症を抑える薬剤。使用は16歳以上に限られていますが、ステロイドやタクロリムスの外用で副作用がでるなどコントロールが難しくなった人には新たな選択肢となります。治療の選択肢が広がっていますので、まずは皮膚科の医師に相談してください」