「第66回 ケロイド」2020年2月28日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2020年5月29日
- 一般皮膚科
傷の跡が盛り上がって治りません ケロイドは早めに治療しましょう
やけどや傷の跡が赤く盛り上がってみみず腫れのようになってしまうことがあります。ケロイドの症状と治療法について 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医で中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞きました。
―ケロイドとはどんな症状ですか?
「やけどや傷などの外 傷が治る過程で、その部 位もしくはその部位を含めた周辺が赤く腫れて盛 り上がったようになります。ケロイドには真性ケロイドと肥厚性瘢痕(ひ こうせいはんこん)の2 種類があり、見た目は似 ていますが、肥厚性瘢痕 はケロイドに比べて治りやすく、治療しなくても自然に治ることもありま す。一方、ケロイドはアレルギー体質の人などに 多く、傷の範囲を超えて 広がっていくのが特徴で す。赤みの部分をつまむと痛みも感じます。肩や 胸、上腕、あごなど、皮 膚の下にすぐ骨があるところにできやすく、ニキ ビや虫刺されなど小さな 傷でも発症することがあ ります」
―どんな治療をします か?
「症状の程度によって いくつかの治療法を組み 合わせます。赤みや炎症を抑えるのがステロイド軟こうやテープ剤です。 また、シリコンゲルシー トで圧迫し、血流を低下させて増殖を抑える圧迫療法もあります。抗アレルギー薬のトラニラストを処方することも。関節 等に発症し、ひきつれを起こして動きが悪くなった場合は手術で皮膚を移植することも検討します。ケロイドは数週間から1、2カ月で広がっていきますから、傷が治っても赤く腫れあがっているときは早めに皮膚科を受診しましょう」