「第59回 毛孔性苔癬」2019年7月12日付「リビング東京副都心 」に掲載されました
- 2019年12月13日
- 一般皮膚科
二の腕のブツブツが治らず気になります
毛孔性苔癬の可能性があります
毛孔性苔癬(もうこう せいたいせん)は二の腕 や太ももなどにブツブツ とした丘疹ができる皮膚 疾患です。肌が露出する 夏になると気になり出 し、入浴時に擦り過ぎたり、ブツブツを取ろうとして炎症を起こすことも あります。
この病気の詳しい症状や治療法について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニ ック院長の松尾光馬先生 に聞きました。
―どういう病気ですか?
「毛孔性苔癬は、角質が毛穴に詰まって角栓となり、ポツポツした発疹のようになる皮膚疾患です。触ると皮膚の表面がザラザラして、軽いかゆみを伴うこともありま す。
二の腕から肩、背中、太ももの前後、ひざなどに多くみられます。小学生から思春期頃に出現し、小学校高学年で2割程度が発症しているというデータもあります。太った人やアトピー性皮膚炎の人に多いのも特徴で す。遺伝的な要素が強く、 なぜ毛穴に角質が詰まる のか、根本的な原因はよくわかっていません」
―治療法は?
「外用薬としてサルチル酸ワセリンや尿素入り軟膏を処方します。またかゆみなどがある場合はステロイド剤で炎症を抑えます。
サルチル酸ワセリンや尿素でなかなか治りにくい場合は、極細針で皮膚の表面に軽く傷をつけることで肌の再生を促す治療を行います(保険適応外。両腕1回1万5120円)。治療後は1週間程度、紫外線を避ける必要があります。症状が気になる場合は、まずは、 一度医師に相談をしてく ださい」