「第48回重症化したアトピー性皮膚炎」2018年8月4日号の「リビング東京副都心 」に掲載されました。
- 2018年9月25日
- 一般皮膚科
アトピー性皮膚炎がなかなか治りません
重症者を対象とした新薬が保険適用に
かゆみのある湿疹を繰 り返すアトピー性皮膚炎。重症化すると、肌の表面がごつごつと盛り上がり、見た目が気になることも。今年4月から保険適用された新しい治療法について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、中野皮膚科クリニック院長の松尾光馬先生に聞き ました。
—どんな症状ですか?
「アトピー性皮膚炎はかゆみを伴い、乾燥、バリア機能の低下、皮膚への刺激やアレルギー反応によって起こります。遺伝的素因や環境因子が大きく関与しています。一 度治まってもぶり返し慢性化するのが特徴です」
—治療法は?
「症状があっても日常生活に支障がない状態を目指して治療します。従 来の主な治療は、ステロイドなどの抗炎症性外用薬や免疫抑制剤で炎症を抑える、抗アレルギー製剤などでかゆみを抑える、保湿・スキンケアでバリア機能を整えるなど、ほかに光線療法や漢 方薬があります。それでも症状が改善しない人の治療薬として今年4月、デュピルマブ(生物学的製剤)が認可、保険適用されました。アレルギー物質に反応して炎症を引き起こすたんぱく質の結合を妨げるもので、ステロイド外用薬などと併用して使います」
—どのように治療しますか?
「2週間に1度、おなかや腕などに皮下注射します。初回は2㎖を2本、それ以降は1本になります。対象となるのは既存の治療で改善しない中程度から重症の人で、15 歳以上に限定されています。
重症化したアトピー性 皮膚炎に悩んでいる人 は、皮膚科の医師に相談 を」